昨日の「今年お世話になったアプリ紹介」に引き続き、本日は今年読んで印象に残ったマンガ(電子書籍)について書こうかと思います。
何故かこのブログには、当初予定していなかった電子書籍(コミック)のことばかり書いてしまいましたしね。
本って自力で発見した場合が一番面白く感じられると思っているので、普段はあんまり紹介とかしない方だったりします。本来の面白さが少しでも減じてしまったら、もったいないし申し訳ないですもんね。
でも、そういえば私は、他の人が作ったモノに対して感想を述べるのがとても苦手だったことを思い出しました。何をどのように作ってもよいと考えているので、基本的に感想は「いいと思う」とか「へぇ~」みたいな事しか述べられません。まるきりアホの子ですね。まぁ、そんな馬鹿みたいな感想なら、余計な先入観を与えてしまって面白さを目減りさせる恐れも無いというか、そんな影響力はハナから存在しないなぁ、と考え直しました。
紹介するのは、もちろん全て電子書籍で読めるものばかりです。
電子書籍の現状は、紙では数年前にとっくに発売されている本が今月の新刊として配信されるような、過去から最近のものまでごちゃまぜのリリース状況なので、「今年中に発売された本」のようなくくりは特に気にすることなく、自分が今年読んだ本の中から適当にチョイスして、いくつか取り上げてみます。
メジャーな作品ばかりで目新しい紹介にはならないと思いますが、よろしければお付き合いください。
読み込み中です。少々お待ち下さい
鉄風
作者名:太田モアレ
出版社:講談社
掲載誌:good!アフタヌーン
初っ端から嘘を吐くようで恐縮ですが、多分この作品を読んだのは去年だったと思います。すみません。
鉄風は、端的な言葉で表すと「女子格闘技モノ」ということになるでしょうか。
以下は、簡単な粗筋です。
『背が高くてスポーツ万能、全力を出さなくてもなんでも「こなせて」しまうので、充実感を得られず砂を噛むような日々を送っている女子高生、石堂夏央(いしどう なつお)は、入学した高校でブラジルからの帰国子女、馬渡ゆず子(まわたり ゆずこ)と出会う。
格闘技部(ブラジリアン柔術)を作ろうと奮闘する彼女はあからさまな天才でありながらも、いつも一生懸命。「絵に描いた充実」をみせつけられて、夏央は彼女に強烈な反発心を抱き(私は充実している人間を――許さない!)対抗していくことになる』
格闘技部分の描写が非常にしっかりしているので、高レベルの格闘技マンガとして楽しめるのはもちろんですが、それ以外の部分、夏央の心のあり方が大変興味深く、個人的に目茶苦茶ツボに嵌った作品です。
ただこれ、連載開始が2008年なので、割りと前の作品なんですよね。ところが、2012年からずっと休載が続いているらしく、単行本の方は5巻まで刊行されたままストップしています。買ってしまうと続きが気になって仕方なくなるので、注意が必要......と思いましたが、いま調べてみたら2013年11月から連載が再開されたらしいですよ!やった、続きが読める!超嬉しい!
どうか後生ですから、6巻は紙の本と同じ日に電子書籍でも読めるようにしてください、お願いします。
百舌谷さん逆上する
作者名:篠房六郎
出版社:講談社
掲載誌:アフタヌーン
この作品は、最終巻が先日配信されたばかりなので、「今年読んだ」と言って差し支えないでしょう。
内容は、なんだろう......ツンデレ少女、百舌谷小音(もずや こと)と、彼女を取り巻く人々が織り成すラブ......コメ?倒錯的バイオレンスドタバタ愛憎劇?
いちおう、感想を書く為にちょっと読み返したりしたんですが、う~ん......なんと表現していいのか、よく分かりません(笑)
好意をもった相手に対して正反対の態度を取ってしまう、いわゆるツンデレが「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」という実在する精神疾患である、という体裁で話が進みますが、それは一種のメタファーであり、非常に特殊なものとして作中では扱われながら誰でも物語の内容に共感出来るように描かれているのがウマいなぁと感じさせられます。
とはいえ、1~2巻ほど読めばすぐに分かりますが、作品の内容としてはかなり尖っているので、それなりに人を選ぶのではないでしょうか。
個人的には、物凄く面白かったです。読んでて爆笑もしましたし、号泣もしました。ただ、どこがそんなに好きなのかは、上手く説明できません。
多分私は、自分の中には見当たらないものに触れるとほぼ無条件に凄いなぁと思ってしまう質なのですが、これこそ正にそのひとつで、この展開は自分からは絶対出てこないだろうな、とか、何をどうやって考えたらこういう場面に行き着くんだろう、みたいな感じで、ただただ面白いなぁと思いながら読むしかないというか。
うわぁ、なにこのヒドい紹介文。あの、面白いのは確かですので、私の文章などは無かったことにして、とりあえず読んでみてください、すみません......
斉木楠雄のΨ難
作者名:麻生周一
出版社:集英社
掲載誌:週刊少年ジャンプ
自分の書く紹介文がヒド過ぎて、心が折れそうです。
以前の記事で、ジャンプアプリをやたらと何回も推してしまったので、いまさら私ごときが紹介するまでもありませんが、いちおうジャンプからも。
天下の週間少年ジャンプ連載作品ですので、内容の説明なんて必要ないと思いますが、その気になれば世界を3日で滅ぼすことができるほどの超能力者である主人公、斉木楠雄(さいき くすお)の学園生活を描いたギャグマンガです。
ジャンプで超能力モノなのに、バトルはしません。というか、むしろジャンプで連載されている超能力モノだというメタ要素を逆手にとったギャグマンガですね。
同じ作者が以前に連載していた作品はそうでもなかったのですが、斉木は読み切りの頃から、何故か好きだったのを覚えています。
海藤とか、可愛いですよね(笑)
とある科学の超電磁砲
出版社:KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
掲載誌:電撃コミックス
ジツは私、今年に入ってからはじめて「レールガン」、ひいては「とある」シリーズに触れ始めたんですが、いや、面白いですね。
特に超電磁砲は、アニメの原作であるとか小説のスピンオフとかいう以前にマンガとしての出来が非常に良くて、それが超電磁砲と禁書を良い意味で別物にしている要因のひとつじゃないでしょうか。
電気を操る超能力者、主人公の御坂美琴(みさか みこと)が魅力的なのはもちろんですが、お話の範囲が本家の禁書よりも限定されている分、より深く造形されたキャラクター達が、みんな魅力的に描かれています。食蜂さんとかも、最新刊ですっかり好きになっちゃいました。
なんていうか、このマンガ、凄い面白い。
......私の感想、総じてアホみたいですね。
いちおう、禁書もそれなりに読んでみました。読み始めたのが最近なので、界隈でどのような文脈で語られているのか分からないのですが、菊地秀行の正統後継者だなぁ、という印象を強く受けました。まだラノベという言葉が無かった頃に使われていた、ジュヴナイルの匂いがします。
すみません、Kindle 版が無いようなので、表紙を表示する為に紙の本へのリンクになっています。
ハイスコアガール
作者名:押切蓮介
出版社:スクウェア・エニックス
掲載誌:月刊ビッグガンガン
今度アニメにもなるらしいので、こちらも説明不要かと思いますが、ゲーム(主に格闘ゲーム)の歴史とラブコメを融合させた異色作、ハイスコアガールです。
つい先日、最新刊が配信されたんですが、いいトコロで終わりすぎです。続きが気になって仕方ありません。
大野さんに同情を誘われつつ、でもやっぱり最初から負け戦の小春ちゃんを応援したくなってしまう。掲載誌の方では、もう決着ついてるんだろうなぁ。小春ちゃん、頑張って。でも、大野さんにも幸せになって欲しい。
ああ、なんの紹介にもなってない。
えぇと、作中では90年代のゲーム事情が語られるのですが、そこで取り上げられているのは全て実在したゲームであり、当時の空気感を含めて丁寧に描かれていて見所のひとつになっています。
あと、主人公のハルオは、とてもいいヤツです。でも、あんなゲームばっかりやってる彼氏だと、実際に付き合うのは結構しんどいかも知れません。我慢させちゃうのも可哀想ですしね。それならばと、彼の趣味まで含めて本気で好きになってしまおうとする小春ちゃんはスゴいです。超頑張れ。
これも Kindle 版が無いようなので、表紙を表示する為に紙の本へのリンクになっています、すみません。
実は私は
作者名:増田英二
出版社:秋田書店
掲載誌:週刊少年チャンピオン
どこか懐かしい作風のラブコメです。
多分、個人的にはそこが合ったのだと思います。スゴく面白いです。
マズい、さっきから「スゴい面白い」しか言ってない......え~、微妙にSF風味です。宇宙人とか出てきますしね。吸血鬼とか狼男も出てきます。いや、昔はファンタジーまで全部ひっくるめてSFって呼んでたんですよ。多分、主に早川書店のジャンル分けのせいだと思いますけど。
ドタバタ系ラブコメの例に漏れず、何人もヒロインが登場しますが、みんなが揃って、ちょっと抜けていてアホっぽいところが可愛いです。
個人的には、委員長が好き(という人は多そうだ)。メインヒロインである白神さんは、若干埋もれ気味なので頑張ってください。でも、こういうラブコメだと、どうしてもそうなりがちなのは仕方ないですよね。
最後に
ああ、ダメだ、もうしんどい。やっぱり、他の人が作ったものに感想を述べるのは苦手なようです。「じゃあ、こんな企画やらなきゃいいじゃん」と言われたら、「尤もです」と返すしかありません。
上で紹介した他には、過去の記事で紹介した「3月のライオン」や「今日のユイコさん」も、もちろん面白かったです。
昔から少年マンガが好きなので、傾向が偏っちゃいましたね。
なんか少ないですが、他のマンガの紹介は、別の機会に譲りたいと思います。
それでは皆様、よいお年を。