iOS 11以降は、Apple IDの2ステップ確認には対応せず、2ファクタ認証に一本化される模様

 表題の通りですが、iOS 11 以降は基本的に Apple ID の 2 ステップ確認には対応せず、2 ファクタ認証に一本化されるかも知れません。

 なにを言ってるのか分からねーと思うが(略

 えぇとですね、様々なサイトやサービスで自分のアカウントにアクセスする際に、(多くの場合)ID & パスワードによる認証に加えて、認証済みの端末でしか取得できない確認コードを使って 2 つ目の認証を行うことでセキュリティを強化するという、いわゆる 2 段階認証と呼ばれる仕組みを耳にしたことがあると思います。

 Apple ID も、もちろんこれに対応しているのですが、これまで 2 ステップ確認と 2 ファクタ認証という非常に良く似た別の仕組みを並行して提供していたんですね。

 これが、非常に分かりにくかった。

 なぜ、そんなことになっているのかについては、以下でも簡単に説明しますが、詳しくは以前に書いたこちらの記事を参照してください。

 ともあれ、iOS 11(および macOS High Sierra)では、相対的に古い仕組みである 2 ステップ確認は少なくとも推奨されず、どうやら 2 ファクタ認証に一本化される流れらしいですよ。

追記:(2017/09/20)
 つい本日リリースされた iOS 11 をインストールすると、やはり 2 ステップ確認は 2 ファクタ認証に自動的に切り替わるようです。

 同じ Apple ID で複数の iOS 端末を利用している場合、どれか 1 台でも iOS 11 にアップデートすると 2 ファクタ認証に切り替わってしまうようですので、2 ファクタ認証の利用が難しい iOS 8 以前しか使えない端末(例えば、iPhone 4 等)をご利用中の場合は、少し注意が必要です。


 Apple ID の 2 ファクタ認証と 2 ステップ確認の違いや、いわゆる 2 段階認証について詳しくは、以下の記事をご覧ください

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まえおき

 いちおう、ここでも簡単に触れておきますと、まず 2014 年頃に iOS 6 でもギリギリ使える「2 ステップ確認」という仕組みが導入されました。

 ところが、当時は俗に言う 2 段階認証が一般に広まりはじめたばかりということもあってか、仕組み自体がまだ小慣れておらず、導入に少々手間がかかり、一般ユーザーにとってはあまりお手軽とはいえない代物でした。

 そこで、時代に合わせてよりモダンで簡便に使えるようにしようと思ったのかなんなのか、Apple はその後の iOS 9 で、「2 ファクタ認証」という"とても良く似た別の仕組み"を組み込んだのです(似ているというか、どちらも 2 要素認証です)。

 さらに、2 ファクタ認証が提供された後も、2 ステップ確認は引き続き利用できるという、どっちつかずの非常に分かりにくい状態が続いていたのですが、2017 年秋リリース予定の iOS 11(および macOS High Sierra)で、ようやく 2 ファクタ認証に一本化されるようです。

Apple 様からお手紙ついた

 なぜ、古い方の 2 ステップ確認が iOS 11 以降は廃止の方向らしいことが分かったのかというと、2 ステップ確認を設定しているアカウント向けに、以下のようなメールが Apple 様より届いたからです。

件名:Apple ID security update with iOS 11 and macOS High Sierra

Dear gootara.org,

Thank you for using two-step verification to protect the security of your Apple ID.

If you install the iOS 11 or macOS High Sierra public betas this summer and meet the basic requirements, your Apple ID will be automatically updated to use two-factor authentication. This is our most advanced, easy-to-use account security, and it's required to use some of the latest features of iOS, macOS, and iCloud.

Once updated, you'll get the same extra layer of security you enjoy with two-step verification today, but with an even better user experience. Verification codes will be displayed on your trusted devices automatically whenever you sign in, and you will no longer need to keep a printed recovery key to make sure you can reset a forgotten password.

For more information, read Two-Factor Authentication for Apple ID. If you have additional questions, visit Apple Support.

Apple Support

 要点を意訳すると、「いつも 2 ステップ確認で Apple ID を守ってくれてありがとう!でも、今夏予定の iOS 11 か macOS High Sierra のパブリックベータをインストールしたら、基本条件を満たした環境では、より高度で使いやすい最新の 2 ファクタ認証を使うように自動的に切り替わるのでよろしく! いままでの 2 ステップ確認と同様のセキュリティで、もっと使いやすくなるよ!信頼済みの端末に確認コードが自動的に表示されるし、リカバリーキーをわざわざ紙に印刷してとっておく必要もなくなるんだ!」みたいな感じでしょうか(いや、ホントはもっとお堅い感じですけど)。

 割りと最近のものでも、要らなくなったらバッサバッサと切り捨てる Apple 様のやり方に思うところがないでもありませんが、この件に関しては、非常に良く似た仕組みが並行して提供されている状況が紛らわしすぎたので、歓迎すべき流れじゃないかと思います。

 まだ 2 ステップ確認を使い続けている向きは、これを機にそろそろ 2 ファクタ認証に切り替えることを考えても良いかも知れません。

 iOS 11 がリリースされてしばらくは、環境によっては 2 ステップ確認も使えると思いますが(希望的観測)、遠からず廃止されてしまうと思いますし。

 何らかの問題が発生して、ベータ版ではなく iOS 11 の本リリースでは、もしかしたら 2 ファクタ認証に自動的に切り替わらなくなる可能性は皆無ではありませんが、まぁ、ほぼ無いでしょう。

 全体として、2 ステップ確認は将来的に廃止の方向で間違いないと思います。


追記:(2017/09/20)
 予想通りというか当たり前というか、冒頭にも追記したように、2 ステップ確認を利用している場合は、iOS 11 をインストールすると 2 ファクタ認証に自動的に切り替わるようです。

 2 ファクタ認証に基本的には対応していない iOS 8 以前の端末でも、どうにかこうにか使う手立てがなくはありませんので、この機会に 2 ファクタ認証を受け入れてしまうのが無難な対応かと思われます。

 iOS 8 以前しか使えない古い端末で 2 ファクタ認証をパスする方法は、以下の記事をご覧ください。

おわりに

 開発したアプリの検証用途に、古い iOS 環境をいくつか取ってあるんですけど、さすがにそろそろ iOS 8 以前の環境は更新してしまおうかと思います。

 今年(2017 年)6 月の時点で、新しい方の 2 ファクタ認証が使える iOS 9 以降のシェアが 97 % くらいらしいですしね。

 ただ、わざわざ確認コードの数字を入力する手間を必要とせず、スマホで「はい/いいえ」ボタンを押すだけで認証できるプロンプト方式が、ここ最近 2 段階認証の主流になりつつあるので、Apple ID の 2 ファクタ認証も、またちょっと変わりそうな気もしますけど(笑

 Google の「スマートフォンプロンプト」について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

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