[電子書籍] ノラガミに見る、講談社少年マガジン公式アプリの配信開始日のゆらぎ(或いは、出版社直販アプリの存在意義について)

 現在、アニメにもなっているので、ご存知の方も多いと思いますが、月刊少年マガジンで連載されている「ノラガミ」というマンガがあります。

「ご町内神話」と銘打ち、日本の神話や伝承をテイストとして上手く活かした、とても面白いマンガです。

 あ、いえ、マンガの内容を紹介しようという訳ではないのです。

 今回はですね、これまで電子書籍(コミック)についていくつか記事を書いてきた流れで、そのノラガミを例にとって、電子書籍のリリース日について、および出版社自身が運営している(と思われる)電子書籍ストアに関して、少し書きたいと思います。

 ちなみに、電子書籍版のノラガミは、4~6巻が先月(2014年1月)に出たばかりですが、Amazonによれば7~9巻が早くも2月14日にリリースされる予定です。


ノラガミ (7)

Amazon Kindle


ノラガミ (8)

Amazon Kindle


ノラガミ (9)

Amazon Kindle

 ここにきて一気に電子化されているのは、多分アニメ化の影響でしょうね。大変ありがたいですが、紙の本では9巻も出てたんだから、もっと早くから電子化しとけばいいのに、と思わないでもありません。
 だって、1~3巻が電子化されたのも、2014年の1月になってからなんですよ。いや、本題から逸れますので、このくらいにしときますけれども。

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ノラガミの不思議な配信開始日

 以前の記事でも何度か言及しましたが、iOS用のみ提供されている講談社の少年マガジンコミックス公式アプリというものが存在します。アプリ内で電子書籍の購入が行えるストアアプリです(残念ながら、Android向けにはいまだに提供されていないようです)。

 販売元が講談社自身である、このアプリの利点として、一般的な電子書籍ストアでは420円で販売されている少年マガジン系の電子書籍が、400円という微妙に安い価格で買えることがあげられるのですが、それ以外にも、他の電子書籍ストアよりもコミックスの配信開始日が「稀に早い」ことがあったりするので侮れません(この「稀に早い」というのが、また曲者なのですが)。

 さて、すでにお察しのことと思いますが、今回触れたいのは、表題にある「ノラガミ」の配信開始日についてです。

 商品ページをご覧いただくと分かるのですが、AmazonのKindleストアに限らず一般的な電子書籍ストアでは、ノラガミの4~6巻は2014年1月31日にリリースされました。

 ところが、講談社の少年マガジンコミックス公式アプリでは、正確な日付はちょっと分かりませんが、少なくとも2014年1月22日には既に購入できる状態になっていたのです。つまり、実に10日ほども早く入手できた上に、さらにその時点では、まだAmazon等の他のストアでは予約販売情報すら掲載されていませんでした。

 ちなみに、何故そんなことが分かるのかというと、私がその日に複数の電子書籍ストアを検索して、講談社の少年マガジンコミックス公式アプリでしか販売されていないことを確認した上で買ったからという、ただそれだけです。いや、そんなくだりはどうでもいいんですけれども。

 で、講談社自身が提供しているアプリですから、他の電子書籍ストアよりも先行して自社コミックスを販売しても別におかしくないと思うのですが、毎回そうかといえば、そうではないのが油断のならないところです。

 冒頭に書いたように、ノラガミの7~9巻はAmazon等の電子書籍ストアで2月14日にリリースされる予定ですが、4~6巻の時と同じであれば、そろそろ少年マガジンコミックス公式アプリでは販売が開始されても良さそうなものです。ところが、いまだにその気配はありません。
(追記:結局、講談社少年マガジン公式アプリでは、2/12から配信が開始されたようです)

 今回のノラガミのみならず、講談社の少年マガジンコミックス公式アプリは一貫性のないリリースをするケースが多くて、他の電子書籍ストアよりもずっと早く配信が開始されたかと思えば、他と同じ、もしくは何故か他よりも遅れてリリースされるケースすら見受けられるのです(個人的な記憶上の話なので、もしかしたら思い違いかもですが→気のせいじゃありませんでした。2014/04/18に各ストアで販売が開始された分や、それ以外にも何冊かのコミックスは、マガジンの公式アプリの方が配信開始が遅かったです)。

 おそらく内部的な事情だと思いますが、早いにしろ遅いにしろ安定してしてくれないと、巻のよって買うストアがまちまちになってしまいかねないので困ります。

 だって、お気に入りのコミックは、やっぱりなるたけ早く入手したくなるものじゃないですか。

 ここから先は一般的な話になりますが、いまのところ電子書籍は、とあるストアで購入したら、そのストアのアプリでしか読めない場合が多いので、蔵書管理の面でも気持ち的にも、とあるシリーズ物を買い始めたらシリーズ単位で購入するストアを統一したくなりますが、既刊を買ったストアとは別のストアで早売りしているのを見かけてしまったら、そしてそのマンガがすごく好きだったら、そりゃそっちで買っちゃいますよね(いや、実際は人によると思いますけど、ほら、あの、心情的に)。

 多分、まだ市場規模がそれほどでもないので、なんだか電子書籍はいまだに軽んじられている風潮が一部の出版社自身にも見受けられるように思うのですが、「気になる新刊の配信開始日をチェックして、リリースされたらすぐに買う」という紙の本に近い買い方をするユーザーは、母数(電子書籍利用者)が増えるにつれて、おそらく増加傾向にあると考えられ、またそのような買い方ができる環境も整いつつあるので、いずれは紙の本のようにリリース直後が圧倒的に最も売れるという状況に近づいていくと思いますので、そろそろ電子書籍の新刊の扱いにも気を遣った方がよろしいのではないでしょうか。
 紙の本より全然遅れて、各社の都合で適当に電子化される時期が長かったので、すぐには変わらないかも知れませんが、新刊の扱いが紙の本並みに重要になるのは、そう遠い将来の話ではないと思います。

出版社直販ストアの存在意義

 講談社の少年マガジンコミックス公式アプリが、実際に講談社自身によって直接運営されているのかどうかは分かりません。外部にシステムごと委託しているのかも知れませんが、もしそうだとしても、紙の本でいうところのいわゆる取次のような形態ではなく、講談社自身もなんらかの形で直接的に携わっているのではないかと思っています。
 また、良く似たアプリである、集英社のジャンプBOOKストアやマーガレットBOOKストアも、おそらく同様だろうと考えています。

 さて、ユーザー視点から眺めた場合に、これら出版社が直接運営しているように思われるストアに対して求めることは、果たして何でしょうか。

 まず、電子書籍ですから印刷や物流に関わるコストが圧縮できそうなのは前提として、出版社直営のストアとなれば、紙の本でいうところの取次や窓口である書店すら不可欠では無くなるので、その分Amazon等の他のストアよりも価格を抑えて電子書籍を提供できるのでは、という期待があげられます。

 実際は開発やインフラにかかるコストもあって、体力のある大手出版社しかなかなか手を出せないとは思いますが、上にあげたマガジンやジャンプ、マーガレットのストアアプリ内で販売されている電子書籍の価格は、まさしく他の一般的な電子書籍ストアよりも低く設定されている訳です(一部例外を除く)。

 そして、もうひとつ。出版社が直接携わっているのですから、リリース日についても、他の電子書籍ストアよりも早く配信が開始できるのでは、と、いちユーザーとしてはそのように期待してしまいます。この辺りは、他の電子書籍ストアとの兼ね合いもありますので難しいとは思いますが。

 ともあれ、これらのユーザーから見て分かりやすい利点を筆頭に、出版社直販のストアは、出版社自身が携わっていることによるメリットを、もっと前面に打ち出してもいいんじゃないかと思うんですよね。

 電子書籍の流通を紙の本と同じように考える必要は、必ずしもないというか。在庫が存在する紙の本のように「出版社-取次-書店-読者」である必要は無く、電子書籍に関しては「出版社-読者」でもいいんじゃないかと、すなわち電子化時代においては、「その出版社の本は、その出版社が提供するストアで買う」という選択肢があっても良いのではないかと思うのです。

 もちろん、出版社が提供する以外の電子書籍ストアが必要無いという意味ではありません。
 中小規模の出版社にとっては、元データだけ用意してインフラは各電子書籍ストアに任せた方がコストをかけずに電子書籍を配信し易いと思いますし、管理やノウハウの面では電子書籍の取次が間に入った方が良い場合も多いでしょう。
 また、あまたの出版社の電子書籍を取りまとめて扱う書店ライクなストアならではのサービスやメリットも、数多いと思います。
 ユーザー視点から見た場合でも、いちいち出版社毎に使うアプリを切り替えるのは面倒なので、出版社によらず利用するストアを統一したいと考える人は多い筈です。

 ただ、多少の不便さと引き換えに、価格や配信開始日に関して少しだけ有利な、出版社直販のストアという選択肢が、電子書籍の場合は読者に対してより多く提供されても良いのではないかと思うのです。

つまり、何が言いたいのか

 つまりですね、何が言いたいのかをものすごく噛み砕いて申し上げますと、「ノラガミの続きが早く読みたいので、少年マガジンコミックス公式アプリは、今日か明日くらいに7~9巻の配信を開始してくれないかなー」です。

 ただ単に、自分が早く読みたいだけです、長々とすみませんした。

 4~6巻の時のことを考えたら、そろそろ配信開始されてもいいんじゃないかなー、と思うんですけど、ダメですか講談社さん、そうですか。

 でも、少年マガジンコミックス公式アプリは、配信開始日を紙の本と同様に予め定めているジャンプBOOKストアとは対照的に、なにやら前触れもなく突然新刊が追加されることも多いように見受けられるので、今週いっぱいくらいは諦めずに、健気に待ちたいと思います。自分で健気とか言うな。

追記:
 結局、講談社少年マガジン公式アプリでは、2/12から配信が開始されたみたいですね。やっぱり、日数は安定しないけど、おおむねちょっとだけ早く配信が開始されると考えてよさそうです。10巻も同様だといいですね。

さらに追記:
 10巻も、やはり2日ほど早く発売されたようです。紙と同時発売のタイトルが増えそうな兆候もありますし、てゆうか、むしろ電子書籍は紙より早く発売できる筈。紙への変な意味でのこだわりと、デジタルへの妙な偏見がなければ、出版社アプリはそういうことやりやすいと思うので、試しにやってみてくれないかなー。

残念な追記:
 公式アプリの方が配信開始が遅い場合があるというのは、私の気のせいではありませんでした。2014/04/18に各ストアで販売が開始された分と、それよりも早く配信が開始された何冊かは、マガジンの公式アプリの方が配信開始が遅かったです。

 集英社のジャンプアプリもコミックスの値上げが決定しちゃったし、なんかあったんですかね。出版社の直販アプリに安かったり早かったりされちゃ困るって、他のストアから文句つけられたとか。

 割引販売は無いわ、配信開始は遅いわじゃ、そりゃ出版社の直販アプリって全く意味がなくなっちゃいますわなー。こんな記事書いといてなんですが、正直、この調子でメリットが無くなってしまうようなら、私も使わなくなると思います。だって、使う理由がないもん。

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