日々、スマホのニュースアプリ等で情報収集をしていると、「あ、この記事は後でパソコンで読みたいな」と思ったり、逆にPCでブラウジングしている時に「あ、この情報はスマホに送りたい」と思うことって、良くありますよね。
少なくとも私には頻繁にありますし、実際にそのような連携を実現するアプリや拡張機能がたくさん存在することから、割りと一般的なことなのだと思われます。
WindowsとAndroid、またはMacとiOSという組み合わせならば、色々と方法もあるのであまり問題にはならないのですが、その全てで情報を共有しようとすると、意外と面倒臭かったりします。
また、後でじっくり読み返したかったり、情報として残しておきたい場合であれば、単純にEvernoteなりPocketなりに放り込んでおけば十分なのですが、そうでない場合が微妙に始末に困ります。
つまり、わざわざデータとして残しておく必要までは無くて、単純にいまスマホで開いているWebサイトをWindowsまたはMacで開き直したいだけ(あるいはその逆)の場合ですね。
ホントにちょこっと連携したいだけなので、わざわざそれ用のアプリを新たに導入するのも気が進みません。
それから、何かを調べつつブラウジングしていると、「この情報は、後で作業する時に必要になるなぁ」とか考えて、タブを沢山開きっぱなしにしてしまい、でも、その予定していた作業がどんどん後ろ倒しになって、タブを閉じるに閉じれず困ったりすることが、よくあります。
これ、どっちのケースも困っていたんですが、同時にどちらにも対応できる物凄く単純でお手軽な方法を思いついたので、試してみました。
そしたら、「あれ、別に特別なアプリとか拡張機能なんて使わなくても、これで十分じゃん」という結論に達したので、ご紹介してみようかと。
Windows、Android、Mac、iOSを日常的に使い回していて、それら全てでお手軽に情報を連携できないかなーと悩んでいる方には、もしかしたらお役に立つかも知れません。
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煩雑な連携作業とタブの開きっぱ
ちょっとしたデバイス間連携を実現するアプリや拡張機能というのは、もちろん沢山ありまして、私も色々と試してきました。
例えば、このPushbulletなんかですね。
でも、どれも帯に短し襷に長しというか、どうもしっくりこない。まぁ、そもそもPushbulletは、iOS用がまだ出ていないんですが。
追記:
2014/3/5に、iOS版のPushbulletがリリースされたようです。これで、ウチでも使う頻度が徐々に上がるかも知れません。
さらに追記: やっぱり、ちょっとしたやり取りにはスゴく便利。ブックマーク同期が不安定な方には、特にオススメです。
ともあれ、(記事を書いた当時は)しっくり来なかったので、そのような連携アプリの代わりに、これまではブラウザ標準のタブ連携機能を使っていた訳です。
例えば、スマホのニュースアプリで出会った記事が気になってPCのブラウザで開きたくなった場合、まずスマホ上のChromeなりSafariなりタブ連携が行えるブラウザで開いて、PCからはタブ連携の「他のデバイス」を利用して開き直していました。
でもですね、そうすると使用ブラウザが問題になってくる訳でして、iOSだったら、正直ブラウザはSafari一択ですよね。Web機能を搭載したアプリだったら「Safariで開く」機能はまず付いているので連携には困らないし、JavaScriptの実行速度が速かったり「ホーム画面へ追加」機能が使えたりと機能的にも優遇されてますし、他のブラウザを選ぶ理由が見当たりません。
で、手持ちのiOSデバイスでSafariを使っていたら、自動的にMacでもSafariがメインブラウザになるじゃないですか(まぁ、人にもよりますが)。
ところが、Apple様はWindows版のSafariの開発を、もう随分前にやめちゃってる訳ですよ。いや、もし続けていたとしても、どうせAndroid版なんて実現しなかったでしょうから、どの道Safariで揃える目はありません。
なので、手持ちにAndroidデバイスがあったら、Google製のChromeがWindowsとAndroidではメインブラウザになりがちだと思うんですよね。
いや、こっちの陣営はアプリ選び放題なので何でもいいんですけど、同期機能がビビるレベルで素晴らしいので、私はChromeを使っています。だって、新しいデバイスを買った時とかも、Chromeをインストールしてログインするだけで、ブラウザに関しては拡張機能まで含めて他の端末とほとんど同じ環境が一瞬で作れるんですもん、アレは楽過ぎてビビります。
で、「iPhone ― Mac」はSafari、「Android ― Windows」はChromeで全く問題無いんですが、この運用をしていると少々めんどくさいのが「iPhone ― Windows」、「Android ― Mac」の組み合わせです。
例えば、iPhoneのニュースアプリで気になる記事を見つけて、後でWindows PC上で開きたくなった場合、タブ連携を利用するのであれば次のような手順を踏まなくてはなりません。
- iPhoneのニュースアプリのメニューから「Safariで開く」を選択する
- Safariで開いたら、ブックマーク等を経由してChromeで開き直す
- PCのChromeに移動して、「最近使ったタブ」→「その他...」等からさっきiPhoneのChromeで開いたページを開く
めんどくさい!そして、分かり難い!
あと、大量のタブの開きっぱも、なんとかしたい。
今すぐは必要無いんだけど、ちょっと後の作業で必要になりそうだから、その時になって履歴やEvernoteから改めて探し直すのも手間だし、すぐアクセスできるようにページを開きっぱなしにしておきたい、みたいな微妙なケースって、思いの外あったりする訳です。
そういう時は、なんだかんだで、タブを開きっぱにしているのが一番楽だったので、そのような運用をしていたのですが、どう考えてもメモリがもったいないです。それに、タブがやたらと沢山残ってしまうので、どれがどれやら段々見分けがつかなくなってしまいます。
ところが、ある方法を思いついて実行したところ、タブを閉じてしまって構わないのでメモリは開放し放題だわ、でも素早く再アクセスできるから楽ちんだわ、他のデバイスに気になる記事を送るのも簡単だわ、開きっぱなしにしておきたい情報が増えすぎた場合もジャンル分けして整理できるのでスッキリだわ、いいことづくめだったのです!
果たして、その方法とは
突き詰めて考えると、私がやりたかった事って、要するにURLとページタイトルさえ各デバイス間で連携できれば、それで済んじゃうんですよね。
あれ......それって、ブックマークでよくね?
ある日、私はそう気付いてしまったのです。
いや、遅いよ。
い、いやですね、ちょっと違うんです、これはブックマーク同期それ自体が便利でどうこうという話ではなく、いえ、すごく便利は便利なので私も以前から使い続けている訳ですが、機能そのものというよりも、それを「どのように」利用するかという、運用の話なのです。
えーとですね、この話の前提となるのは、Windows上でのiCloudコントロールパネルによるブックマーク同期です。
Mac、iOS間のSafariブックマークは、はじめからiCloudで同期していますから、それに加えてWindowsのiCloudコンパネを使用することで、WindowsのChromeと、Mac、iOSのSafariのブックマークを同期してあげる訳です。
WindowsのChromeと同期できてしまえば、AndroidのChromeとも同期できたも同然です。
ここまでは、当たり前。
話のキモは、ここからです。
こうして全てのプラットフォームで同期が可能になったところで、上で述べたような「ちょっとした」デバイス間連携には、「ブックマークバー」を利用するのです。
アドレスバーのすぐ下などに、常に表示しておくことのできる、アレです。
iCloudコンパネのブックマーク同期は、ChromeとSafariのブックマークバーをきちんと同期してくれます。
「ブックマークバー」なので、素早くアクセスできます
そして、ブックマークバーに「一時」みたいな名前で一時的な連携だけに利用する専用のフォルダを作っておくのです。
その下に、他のデバイスへ送りたいと思ったページを登録する訳です。すごくお手軽にURLをやり取りすることができます。
また、これまでは「後で必要になるから開きっぱなしにしておこう」と思っていたタブを、この「一時」フォルダにじゃんじゃん放り込んで、タブ自体は閉じてしまうのです。閉じてしまっても、ブックマークバーに登録してあるので、後から素早く簡単にアクセスできます。空き時間に、他の端末を利用して読むことも余裕です。
(「一時」なので、必要が無くなったらすぐに削除する運用です)
そして、ここがミソなのですが、あくまで単なるブックマークですから、必要に応じてフォルダによるジャンル分けや並び替えも自由自在なのです。
おまけに、余計なアプリや拡張機能は必要ありません。やっぱり、デフォルト機能でカバーできることは、なるべくデフォルト機能で済ませたいですよね。
さらにその上、この連携の輪の中にLinuxが入ってきたとしても、Chromeさえ動けば良いので、問題無く対応できてしまいます。
か、完璧じゃないですか(自画自賛)
......ああ、すみません。そんな大したことじゃないです。なんだったら、こんな単独の記事にして、長々と説明するほどのことですらないですよね、ごめんなさい。
もちろん、必要のなくなった情報は削除するなり、ブックマークの然るべき場所に移動するなりして定期的に整理しなくてはなりませんが、それはどんなアプリや機能を使っても同じだと思います。
iCloudコンパネ設定の注意点
Windows上でのiCloudコントロールパネルの設定は、まぁ、難しいことは特にないのですが、個人的な経験上、Internet Explorerとのブックマーク同期はオフにしておいた方がいいと思います。
※ChromeやFirefoxとブックマーク同期が可能なのはWindows 7以上です
Internet Explorerのお気に入りは個別にファイルが存在するせいなのか何なのか、同期対象に含めてしまうと削除した筈のフォルダやアイテムがいつの間にやら復活したりして、全ての端末のブックマークが目茶苦茶になってしまうことが多いように見受けられます。
さらに言うと、個人的にはiCloudコンパネでブックマーク同期を有効にするのは、メインのブラウザ1つに絞った方がいいと思います(*1)。
いまのところ私の環境では、Safari-Chrome同期で大きな問題は発生していません。あまりにも一瞬で同期されるのでビビってしまうくらい順調です。
おそらく、Firefoxとの同期も、問題無いでしょう。Firefox Syncと組み合わせれば、Chromeと同レベルの連携が可能だと思われます。
問題は、WindowsではInternet Explorerをメインに使っている、という方でしょうか。乗り換えるのが無理な場合は、思い切ってIEと同期してみるしかありませんよね。私の環境とは違って、もしかしたら特に問題は発生しないかも知れませんし。
ちなみに、上のスクリーンショットでは(環境が特殊なので)オフになっていますが、写真やメールの同期は便利なので必要に応じてオンにして良いと思います。
※そういえば、Windowsタブレットを本格的に使い始めたら、IEともちゃんと同期できないと困るなぁ......まぁ、その時に見直そう。
*1
iCloudコンパネをインストールするマシン自体、1台に限定した方が良さそうです。2台のマシンにiCloudコンパネをインストールして、同じGoogleアカウントでそれぞれのChromeにログインしてブックマークをいじると、お互いに変更を同期しようとしてしまうのか、どんどん項目が重複したり消えたりおかしくなる場合があります。
もしぐちゃぐちゃになってしまったら、あまりオススメしませんが、Chromeのブックマークをいったん整理してからHTMLにエクスポート→Chromeのブックマークを全削除→しばらく間を空けてからエクスポートしたHTMLをChromeにインポート、とすると綺麗になる可能性があります。
でも、うまくインポートできなかったりする場合もあるので、もう一度イチから構築し直すくらいの覚悟が無い限りはオススメできません。もし行う場合は、自己責任でお願いします。
重要な追記:
やっぱり、使っている内にタマにフォルダや項目が重複してしまって、一方を削除すると同期がおかしくなって中途半端に削除されてしまうようなことがあるので、定期的にブックマークのエクスポートはしておいた方が良いと思います。
さらに追記:
複数デバイスでブックマークを追加・編集・削除していると、クラウド上のデータが壊れてブックマークが滅茶苦茶になる場合がやっぱりあるので、ここに書いてあるような使い方でのブックマーク同期は止めておいた方が無難かも知れません。
Windows の iCloud コンパネで同期しているので、(特にWinの)Chrome → Safari はいいんですが、Safari → Chromeが弱い気がします。というか、iCloudの同期タイミングが遅いかおかしくなる場合がある気がしてならない。iCloud コンパネは Apple 謹製の筈なのに、何故こうなるのか......
デバイス間の簡単なデータのやり取りは、上にあげた「Pushbullet」が一番お手軽で使い易いと思います。
ブックマークがおかしくなった場合の対処方法:
長いので別記事にしました。こちらの記事を参考にしてください。
最後にひと言、追記:
「この記事、意味ねぇー」
URL以外のメモ等の連携
気になった記事なんかをデバイス間でやり取りする場合は、上のようにブックマークで十分なのですが、スマホでちょっと書いたメモをPCに連携したい(あるいは、その逆)みたいなケースも、割りと良くあると思います。
そういう場合は、Androidをメインで使っているのであればGoogle Keep、iPhoneがメインであればデフォルトのメモアプリが、他のデバイスとの連携を考慮すると使いやすいと思います。
両者ともWeb経由でもアクセスできるので、モダンブラウザさえ動く環境があれば基本的には読み書きできるからです。
どちらも、OSを作っているところが提供しているサービスなので、良く知らないアプリを使うより安心ですしね。共に設定等の手間がほとんど必要無いのも、良いところです。
特にGoogle KeepはAndroidであればウィジェットとしてホーム画面に貼り付けられますし、PC側でもChromeアプリとしてお手軽に使えて便利です。
まぁ、私はiPhoneメインなんで、Macとの連携が楽なメモとリマインダーを使うことが多いですけど。
Google KeepのiOSアプリ、出して欲しいんだけどなー。
(2015/09追記:やっと出ました。App Store で検索してみてください)
※iOSのSafari等のWebブラウザからGoogle Keepが正常に開けない場合は、セッション切れを起こしている可能性があります。
その場合は、直接Keepを開くのではなく、他の上位サービス、例えばGoogle Drive等を開いてみます。そうすると、おそらく再ログインを求められるので、ログインしてからKeepに移動すると開けるようになるんじゃないかと思います。
問題は、AndroidのWebブラウザではiCloudが開けないことですかねー。
Android ー iOSのメモ連携って普段はあんまりする機会が無いので気にしてなかったんですが、まぁ、特殊なブラウザやアプリを使うのも面倒ですし、この場合はKeepを使えば良いのではないかと。iWork以外のiCloud機能は、Androidにも開放してくんないかなー。
おわりに
これで、日々感じている残りの問題は、「連携に対応していないiOSアプリからEvernoteに記事をポストするのが面倒臭い」ということくらいですかね。
Evernote連携アプリも色々試したんですけど、iOS用だけがどれもイマイチ好みに合わないのです。
今年に入ってすぐに公開しようと思っていたアプリが、ちょっとした理由でしばらく表に出せなくなくなってしまったので、この隙に自分好みのEvernote連携アプリでも作ろうかなぁ、とか考えてます。