Windows 10 で一部の文字が汚く表示される場合の対処方法(アップデート後等に急に汚くなった場合など)

 つい先日、遅ればせながら手持ちのマシンの一台に Windows 10 Anniversary Update を適用しまして。

 ほら、例の Windows 10 一周年を記念した大型アップデートのことです。

(手動で入手する方法については、こちらを参照してください)

 アップデート作業自体は特に問題が無かったのですが、更新後に一部のウィンドウの文字が、ドット丸出しの目も当てられないほど汚い表示に成り果ててしまいました。

 そのまま使い続けるのが気持ち的に困難なほど汚かったので、設定を変更してなんとか滑らかに戻そうというのが、今回の記事の趣旨になります。

 まぁ、正直なところ、Windows の更新が原因だったのかは微妙なところなので(後述します)、それに限らず「なんか、特定のアプリだけフォントがすごい汚いんですけど」という現象全般について悩んでいる方の参考になりましたら。

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どんな現象か

 要するに、こんな感じです。

  • ガタガタです

 全てのアプリやウィンドウの文字がガタガタになる訳ではなく(上の画像でも、ウィンドウタイトルの文字だけは滑らかなことに注目してください)、一部の(古めかしい)アプリケーションや設定画面のみフォントが汚く表示されるのが特徴です。

 この時点で、WPF や Direct Write に対応している比較的新しい箇所では文字が滑らかに表示されるけれども、昔ながらの GDI で描画されている箇所は汚くなっちゃってるんだろうなと当たりがつくと思いますが、それはともかく。

 それでは早速、このガッタガタの文字が滑らかになるように、設定を変更してみましょう。

ClearType を有効にする

 スクリーンフォントを滑らかにする方法としては、まず ClearType を有効にすることが挙げられます。

  1. 「コントロールパネル」>「ディスプレイ」の順に選択するか、コルタナさんに尋ねて設定画面を開きます
  2. コルタナさんに尋ねる場合は、「コルタナさん?」と声で直接話しかけるか、タスクバーの「○何でも聞いて下さい」辺りをクリックしてください

    「ディスプレイ」と入力して、検索結果から「ディスプレイ(コントロールパネル)」を選択します

  3. 左側の「ClearType テキストの調整」をクリックします
  4. 「ClearType を有効にする」をオンにします
  5. この時点で、上の画像ではガタガタだった枠内の文字が滑らかになるのが確認できます
  6. ただし、設定はまだ保存されていませんので、ウィンドウの右下の「次へ」ボタンをクリックしてください

  7. 以下のような調整画面がしばらく続きますので、画面の指示に従って最後まで進んで完了します

 以上の手順で ClearType を有効にすると、それまでガタガタだったメニューやラベル等の文字が、滑らかに表示される筈です。

  • 見比べると、滑らかになったことが一目瞭然です

 ガタガタのまま滑らかにならない場合は、そのアプリケーションを起動し直して下さい。

システムの詳細設定

 もうひとつ、「システムの詳細設定」から変更する方法も紹介しておきます。

  1. 「コントロールパネル」>「システム」から、「システムの詳細設定」を開きます
  2. コルタナさんに尋ねる場合は、「システムの詳細設定」と入力してください

  3. 「詳細設定」タブを開き、パフォーマンスの「設定...」ボタンをクリックします
  4. 「視覚効果」タブで「スクリーンフォントの縁を滑らかにする」をオンにして「OK」ボタンをクリックします
  5. すると、ガタガタだった文字の表示が、このように滑らかになります(下の画像は、一旦閉じてから開き直しています)

 注意点として、複数台のマシンに Windows 10 をインストールして、同一の Microsoft アカウントでサインインしている場合、どれか1台のマシンで視覚効果を変更すると、他のマシンでも同様に設定が変更されてしまうことがあります。

 視覚効果のみならず、例えばタスクバーの表示位置や壁紙等も同期されますので、全てのマシンで設定を揃えたい場合はともかく、画面表示に関しては各マシンで個別に設定を行いたい場合は、テーマの同期をオフにしておいた方が良いでしょう。

  1. タスクバーから「設定」を選択します
  2. 「アカウント」を選択します
  3. 「設定の同期」で「テーマ」をオフにします

「テーマ」をオフにすると、壁紙やタスクバーの位置も同期されなくなりますので、ご注意下さい。

 補足しておくと、「設定の同期」自体は、複数台の Windows を使っている場合に設定を自動的に揃えることができたり、Windows を再インストールした際に同じ Microsoft アカウントでサインインするだけで設定を復元できたりと、とても便利な機能です。

 基本的にはオンにしておいて良いと思うのですが、「テーマ」に含まれる(主に画面表示に関わる)項目だけは各マシンで個別に設定したい場合も多いかと思います。

 というか、パフォーマンスに関わる設定等は、マシン毎に事情が異なる訳で、Microsoft には同期対象の設定項目をもう少しブラッシュアップして欲しかったところではあります。

 設定の同期に関してより詳しくは、以前に書いたこちらの記事をご覧ください。

 余談になりますが、Windows のパフォーマンスアップと称して、上述の「視覚設定」の全て、もしくは大部分をオフにすることを勧めるような Tips を時折見かけますが、そこまで気にしなくても良いのではないかと個人的には思います。

 Atom 等の低消費電力 CPU ×メモリ 2 GB 以下みたいなカツカツのハードウェア構成でない限り、「コンピューターに応じて最適なものを自動的に選択する」で良いのではないでしょうか。

今回の現象の原因は?

 よくよく思い出してみると、Windows 10 Anniversary Update を適用する数日前に、システムの詳細設定で「視覚効果」を弄ったので、今回の問題はそれが原因だったかも知れません。

 でも、その時に文字が汚くなっていたら、さすがに気付いたと思うので、Windows 10 をアップデートしたタイミングで、設定がクリアされたか同期が悪さしたんじゃないかなぁ、と疑っているのですが、どうでしょうか。

 というのも、ClearType の有効化とシステム詳細設定の「スクリーンフォントの縁を滑らかにする」は微妙な関係でして、手順によっては一方をオンにしたまま他方をオフにすることもできるのです(少なくとも表面上は)。

 なので、Update 前はなんやかんやで滑らかだったスクリーンフォントが、更新後に設定がクリアまたは妙な具合に同期されたことにより、急に文字が汚くなって目に見えたのではないかと思っているのですが......いやぁ、単に私の思い違いで、更新前から汚かったことに気付いてなかっただけかも知れません(笑)

 ともあれ、「Windows 10 のフォントが、なんか汚い時があるんだけど!」という方のお役に立ちましたら。

2016/08/23 追記
 Windows の更新後に設定がリセットされたという報告がちらほら上がっているようなので、やはり今回の件もそれが原因だったのかも知れません。

 今後の更新でも、同様の現象は発生するかも知れませんねぇ。

おわりに

 Windows 8 以降になって特に評判が悪くなった日本語システムフォントですが、游ゴシックおよび游明朝フォントが悪かった訳ではなく、OS 側のこのような中途半端な対応が良くなかった気がします。

 とはいえ、Windows は過去の資産を引き継ぐことを異常なまでに意識せざるを得ない環境なので、ユーザーにとっては意味不明な現象にも、それなりに理由があったりするのですが......

 それにしたって、日本語対応(ローカライズ)の時に、もうちょっと見た目にも気を配って欲しいですよね。

 せっかく新しいフォントを導入しても、これじゃ本当に宝の持ち腐れですもん。

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