自分のウチに本屋さんがあるということ[電子書籍]


 自宅に本屋さんがあるということ。

 本好きにとって夢とも言えるその環境は、果たして本当に素晴らしいだけのものでしょうか。

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とかゆって

 なんか、マジメっぽくはじめてみましたが。

 えぇとですね、つまり何が言いたいのかと申し上げますと、去年の年末くらいの記事で、私はこんなことを書きました。

 1部屋まるまる本に占領された状態が我慢できなくなって全て処分した後、しばらく本を買わない生活を送っていたのですが、電子書籍を利用するようになってからというもの、また年間数百冊のペースで買うようになってしまいました。。。だって、場所のこと考えなくていいんだもん。

 ジツはこれ、当初は「年間1000冊くらいのペースで」みたいに書いてました。

 最初期の記事なので、「そこそこ電子書籍を利用してるってちゃんと示さないと説得力ないよね」とかマジメに考えて、それまでに購入した電子書籍をホントに数えて年換算で千冊ほど買ってることを確認してから書いたんですが、ある日、上で引用した箇所がたまさか自分の目に触れることがあったんです。

 ふとした拍子に何気なく、だったので、割りと第三者視点に近かったと思います。

 そしたら、目にした瞬間、こう思ってしまったのです。

「年間1000冊とか、キモい」

 だって、ねぇ。年間1000冊って言ったら、月に80冊以上、1日平均3冊くらいのペースで買わないと達成できない計算ですよ。まぁちょっと、なんてゆうか、控え目に言っておかしいですよね。

 自分がキモく思えた私が、当該箇所を「数百冊」に慌てて書き換えたのは言うまでもありません。このように言葉を濁しておけば、人によっては「年にせいぜい200冊くらいかな?」と低く見積もってくれる可能性すらあるので素晴らしいです。

 で、嘘まで吐いて誤魔化したのに、なんでいまさらこんな告白をしているのかというと、今年の購入ペースがさらに尋常じゃないからです。下手をすると、年間2000冊を超えてしまいそうです。とてもマトモな人間の買う分量ではありません。まさしく○○○○です(ちなみに、この文章を書いている今日も、既に10冊以上買っています)。

 1000冊ごときで恥ずかしがっている場合ではないというか、そんなことよりもですね、我が身を振り返って、とある不安に思い至ってしまったのです。

 上の記事を書いた頃は、ただただ純粋に「電子書籍いいよー、紙の本にこだわりが無い人には、場所は取らないし便利だし本当サイコーだから、興味ある人はどんどん使ったらいいよー」みたいに思っていたのですが、我ながら少々脳天気過ぎたのではないか、と。

 脳天気は責任放棄の免罪符にはなり得ない、そんな基本的なことすら、自分は忘れかけていたのではないか、と(この一行は筆が滑っただけなので無視してください)。

 まーつまり、お気楽にオススメしてばっかりでいいのかなーと、ちょっと心配になった訳です。

「物語ジャンキー」は造語です

 いや、年間300冊くらいまでに抑えて、きちんと自制のできる人は、気にせず普通に利用したらいいと思うんですよ。

 心配なのは、放っておくと際限なく大量に買い続けてしまう、私と同じタイプの人です。

 つまり、冒頭で触れた記事にも書きましたが、「大量に買いはするけれども、紙の本それ自体には特に思い入れが無く、中身が読めさえすればいい」というタイプです。

 夜、寝る前に常に新しい物語を摂取してからでないと上手く寝付けない、本好きならぬ「おはなし」好きです。

 愛しむように大切に頁を繰る真っ当な本好きには嫌悪を以って排斥され、刹那的な快楽を求めるように物語を貪り消費して作者を悲しませる「物語ジャンキー」です。

「自分のウチに本屋さんがある」ということ。

 それは、私のような「物語ジャンキー」にとって、あるいはとても恐ろしい環境です。

 だって、「自分のウチに本屋さんがある」んですよ?

 手元のタブレット等で、いつでも本が購入できる電子書籍ストアは、「自分のウチに本屋さんがある」のと同じことですよね。

 いや、紙の本しか読まなかった頃は、それでも物理的な制限により抑えが利いていたのです。
 まだ見ぬ新刊を求めて書店に日参したところで、流石に毎回10冊も20冊も買ってられません。持って帰るの重いし、レジの人にはヘンに思われるし、溢れ放題の本棚(というか床)に、これ以上本を増やしたくないし。

 大体、寝る前に「新しいおはなしが読みたい~」と思っても、夜の夜中に本屋さんは開いてませんからね。最近は24時間営業のところもありますけど、さすがにそうホイホイ夜中に遠くまで出歩けませんし、身づくろいも面倒ですし。

 だから、紙の本しか読んでいなかった頃は、お気に入りの本をローテーションで回して何度も繰り返し読んで我慢していました。「おっ、これは三ヶ月寝かしたから、割りと新鮮な気分で読めるぞ」なんて具合に。

 でも、電子書籍だと、そんな涙ぐましい努力をしなくても、いつでも(真夜中でも!)新しいおはなしが買えちゃうんです。

 それも、いとも容易く。

 一歩も動かなくても、自宅でそのまま。

 欲しくなった時に、好きなだけ。

 24時間、いつでも手に入れられる。

 しかも、品切れなし。

 こりゃヤベェ、と。

「物語ジャンキー」にとって、この環境はヤバいです。相性が良すぎます。歯止めがききません。

さらに、電子書籍は

 さらに加えて、電子書籍は紙の本とは事情が異なる&普及が何より優先される黎明期とあって、キャンペーン販売が非常に多いのです。
 要するに、返本制度により売価が固定されている紙の本よりも、ずっとお安く買えてしまいます。

 ちなみに、サービス内容や画質などは度外視して、単純に購入価格のことだけで言うと、2014年5月現在でお得な電子書籍ストアは、KoboBookLive!がツートップです(注:個人的見解です)。

 もちろん、お好みの書店を使うのがいちばん良いと思いますが、生活に影響しかねないほど大量に本を買ってしまう&中身さえ読めれば体裁なんてどうだっていい物語ジャンキー(ダメ人間)にとって、購入価格以上に重要な評価項目もそうありません。そんな私から見て、金銭的なお得度だけで言えば(*1)、この2店は頭ひとつ抜けてます。他の書店もそこそこキャンペーンは張っていますが、割引率か頻度で何枚か落ちます(散発的な超お得セールが行われている時は、当然のように他のストアも利用します)。

 具体例を上げるならば、このGW中にKoboは「どの本にも使える(*ここ重要。ロハならともかく、興味の無い本に限定して割引セールされても無意味です)」40%引きのクーポンを送ってきました。タイトルを限定してのセールならば、最大50%引きのセールもやってます。
 BookLiveは、購入価格に応じて最大25%OFFのセールをGW中に行っています。10,000円で12,000円分の書籍が買えるポイントの定期購入と合わせれば、実質約40%OFFになります(さらに、こちらでもタイトルを限定しての50%引きセールを行っています)。

 そして、是非はともあれ、最近の2店がこのレベルのキャンペーンを行うのは、さして珍しいことではありません。
 むしろ、半ば常態というくらい、しょっちゅうやっているのです(いや、さすがにここまでのはちょっと珍しいかもですが、割引販売自体はほぼ常態化しています)。

 電子書籍は元々の価格が紙の本よりも安価であるケースが多いことも手伝って、この2店をメインにしていると、紙の本と比べて同じ費用で倍くらいの冊数が買えてしまうので――つまり、「いつでもどこでもお手軽に」買えることに加えて、金額的な面から言っても、紙の本で買っていた頃よりも購入に至るまでの心理的障壁が遥かに低い為、私のような人間はますます大量に買い漁ってしまうのです。

*1
 金銭的なお得度だけで言わなければ、Koboは立ち読みもできないしストアの造りもお世辞にも使い易いとは言い難いので、サービスとしてはあんまり誉められません。モバイルアプリの出来は結構良いんですけどね......Koboの良いところを楽天的な下世話さがまんべんなく台無しにしてる感じ。それを、楽天的な価格戦略で強引に帳消しにしているというか。今後、Koboストアと楽天ブックスを統合するらしいですが、Koboストアの方がまだデザインがいいので、そっちの方向で行ってくれないかなぁ。でも、力関係で楽天色が強くなっちゃうんだろうなぁ(嘆息)。

 BookLive!は、以前は立ち読みできない本も多かったんですが、ここ最近に入荷した分についてはほとんどが立ち読み可能です。しかも、Webブラウザ上で。いちいちアプリを立ちあげなくても中身が確認できるので、これがもう本当に素晴らしく便利。表紙だけ残してアプリからデータを削除する機能にもようやく対応したし、後は本の一覧画面でのソート対応くらいかなー。並び替えは、ホントに対応して欲しい。
→追記:ごめんなさい、画面最下段のボタンで元々対応してました。申し訳ないです。じゃあ、もう言うことないかなー。あとは非同期読み込みくらい?なんかレンタルっぽいこともはじめるみたいだし、色々頑張ってて素晴らしいですよね。あえて言えば、UIとデザインにやや分かり難いというかお固い印象があって、取っ付きにくい部分があるかも知れません。慣れれば問題ないんですが、私も最初は敷居が高く感じられて、しばらく使ってませんでしたから、ちょっともったいないかも。

2014/06追記:
 記事を書いてから一ヶ月余りが経ち、状況が少々変わってきました。対象書籍を限定したり、クーポンの割引率や使用回数が前より下がったりと、koboは一時に比べてやることが若干セコくなってきたのに対し、BookLive!は元からお得な月額ポイントに加えて、さらにそこから割り引いてくれるクーポン機能が本格的に稼働しはじめたので、2014/06現在で大量に本を買う場合は、ほぼBookLive!一択な状況になりつつあります。ストアとしても、koboより全然使い易いですしね。

 そして、最近はhontoとGALAPAGOSも、かなり割引きを頑張ってると思います(特にhonto)。その時々でお得なストアは変わっていきますので、使い勝手なども考慮しつつ、お気に入りの電子書籍ストアを吟味するといいんじゃないでしょうか。

追記:(2014/09/30)
 また状況に変化がありまして、そのお得さからイチ推しだった BookLive! が、どうやら独自ポイントを T ポイントに移行するらしく、さらには月額ボーナスもやめてしまうようなのです。

 Oh...マジか。T ポイント好きじゃないので、あえて使わないようにしてるんですけど。

 そして、月額ポイント定期購入のボーナスが無くなってしまうのが痛すぎる(だって、10,000円で 2,000円分ですよ!?)。2014年11月いっぱいで新規受付は終了、その後も継続はしていますが、いつ無くなるかは分かりません。

 ただ、割引やキャンペーンが多いので、それでも BookLive! がトップクラスにお得なストアであることに変わりはないです。

 あ、そうそう、価格の話が出たので、アホほど電子書籍を購入している人間のひとりとして言わせていただくと、電子書籍(のコミック)は1冊300円台の値付けがベストだと思います。

 もちろん、他の事情なんて一切無視して、ただただ本を大量に買い込む人間にとって都合がよいだけの身勝手な言い分ですが、300円台であればなんとなく興味を惹かれた未知の本に冒険できる気軽さがありますし、さらにそこにキャンペーン販売が加われば、積極的にまとめ買いにまで至ってしまう、お値頃で良い価格帯だと思うのですが。

 一方で購入金額にして1冊400円を超えてくると、私のような人間ですら心理的ブレーキの効きが良くなりはじめ、500円を超えると余程(自分の中で面白さが保証されている)欲しい本でない限り、割引率の高いキャンペーンの時にしか手が出なくなります(などと書いてますが、欲しい本はどうあれ買っちゃうんですけどね)。

 この、価格における冒険のし易さというのは、電子書籍のお手軽さと非常に相性が良いので、全体のパイを広げる上で重要な要素だと個人的には思うんですけどねー。今回の主旨と外れてしまうので、これ以上ここでは掘り下げませんけれども。

 ただ、ひと言だけ付け足させていただくならば、せめて電子では、作者の取り分は実売価格にかかわらず、いまと同等以上になるようにして欲しい。創作系はなんでもそうですけど、そもそも作者以外の取り分が多すぎるでしょう。作り手側でも納得しちゃって有難ってる場合も多いので世話ないんですが、この辺りの理屈やバランスも、今後は徐々に変わっていくんじゃないかと思います。

ここまで読んで

 あー、自分も似たようなタイプだわー、と感じた方は、要注意です。

 多分あなたは、電子書籍と相性が良すぎます。

 そして、私は自分が特別だとは到底信じられないので、同じような方は割りとたくさんいるんじゃないのかな?と思っています。

 どころか、このタイプは「読書体験の共有」に興味が無いので現実でもネットでも目立たないだけで、ジツは大量に本を買う人々の中でもかなりの割合を占めるのではないかしらとまで考えています。

 大勢いるとすれば、たとえ相性はバツグンだったとしても、キッカケが無くてまだ電子書籍にそれほどハマっていない方も多くいらっしゃるかも知れません。

 そのような方々がいよいよ電子書籍と相対する時は、ほどほどで抑えることのできる意志力か、際限なく買い続ける覚悟をお持ちでない限り、少しだけ慎重になった方が良いかも知れません。

 などと、老婆心ながらにご忠告させていただくのが、この記事の主目的だったのですが、良く考えたら物凄い余計なお世話ですね。しかも、何気に失礼だし。まぁ、もう書いちゃったので、押し付けがましく公開しますけれども。

 ちなみに自分のことは、お金が続く限りは仕方ないかなー、と思ってます。まぁ、ホントにヤバくなったら、これでも数年間は全く本を買わない生活を送っていたこともありますし、自分の意思で禁煙したりもしてきたので、必要となれば止められるんじゃないかなぁ、とか思ってるんですが......ものすごい言い訳くさいですね(笑)

 とはいえ、本ってそれが与えてくれる豊かな体験に不釣合いな素晴らしく安上がりの娯楽だと思うので、そもそもそこまで深刻な事態にはなりようがないかなー、みたいな......いや、うん、ちゃんと自制します。

 とまれ、色んな面で不備や不満はあるものの、やっぱり電子書籍は便利で素晴らしいことは間違い無いので、お互い節度をもってほどほどに楽しんでいこうじゃありませんか。

 という、いつもながらの、取ってつけたような結論。

 まぁ、でも、この先、電子書籍の価格は徐々に上がっていくと思いますし、普及がある程度進んだ段階で各電子書籍ストアも割引販売にいまほど積極的ではなくなるでしょうから、こんなに安く本が買えるのって、もしかしたらここ1、2年だけのことなのかも知れません。

 そう考えると、いまこの時に欲しい本を全部手に入れるくらいの勢いで、どんどん買っちゃった方が通しで見たらお得かも知れませんね!なんて、自分の後ろめたさへのエクスキューズを用意してみたりする。

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