2014年はWindowsタブレットが来るッ......でも、まだ我慢

 Windows 8と初代Surfaceの発売から苦節1年余、ようやくWindowsタブレットが本格的な普及段階に入ろうとしています。
......って、あれ、思ったより苦節短くね。文章の構成的には、せめて3年くらいは苦節っといて欲しいトコなのですが。

 まぁ、そんな駄文の事情はさておき、2013年末はWindows 8.1 & Surface 2の発売からはじまって、サイズも価格もお手頃な8インチタブレットが一気にラインナップされて、Windowsタブレット大攻勢という感じでしたね。

 このまま、2014年はWindowsタブレットの本格普及元年になるんじゃないかと予想しています。正直、私も手元に1台置いて色々と試したい誘惑にものすごい駆られてますが、既にタブレットを持ち過ぎなので、なんとか我慢しないといけません。

 そこで、「買うとしたらどれがいいかな~」とか仮想的にショッピング気分を楽しんだつもりになってお茶を濁しつつ、いま買わなくてもいいのだという尤もらしい屁理屈をひねり出して自分に言い聞かせることによって、猛り狂う購買欲をさながら熟練の闘牛士の如く華麗にいなすことを試みたいと思います。適当ですけれども。

 同じように、「欲しいけど今は買わないでおきたい」という方は、頑張って一緒に我慢しましょう。皆で励まし合えば、どんな試練もきっと乗り越えられる筈。いや、適当ですけれども。

 

 ちなみに、とてもブログとは思えないようなねちっこい文章は治りそうもないので、このまま行くことにしました。

 

追記:書いたその日に、新しい情報が。「レノボ ThinkPad 8」について、一番最後に追記しました。なんと、1920x1200ですよ。

スポンサーリンク

読み込み中です。少々お待ち下さい

Win8タブの経緯をひとくさり

 思えば、Windows 8は最初からつまづきの連続でした。

 先行してWindows Phoneに採用され、一部でそのデザイン性が高く評価されていた「Metro UI」が、名称として定着しつつあった大事な時期に突如として「Modern UI」への改称を余儀なくされたこともありました。

Windows8のMetroスタイル、新名称は「Modern UIスタイル」か
(開発者もユーザーも混乱させてしまったこの件は、Microsoftにとってかなりの痛手だったと個人的には考えています)

 そもそも、Windows 8の特徴であるタイルメニューや全画面のUIスタイルが、従来のデスクトップ画面に慣れきったユーザーの不興を買って大変なブーイングをもって迎えられたのですが、まぁ、あのスタイルはデスクトップではなくタブレット用に最適化された画面な訳で、当時言われていた文句のほとんどは、実際の機能の良し悪しというよりも、Microsoftのやりたかったこととユーザーの意識の壮大なすれ違いに起因していたように思います。

 タブレットやスマートフォンのようなモバイルデバイス市場が伸びて行くことは当然予見出来ていた筈ですから、そこでも引き続きPC市場のような存在感を保つ為に、Microsoftとしてはどうしてもあの方向に舵を切らざるを得なかったのでしょう。
 というか、あそこまで大きい会社が、よくあんな思い切った変更を決断できたなと感心します。まぁ、タブレットではないPCにまで、タブレットに最適化されたメニューを強制したのはどうかとは思いますが。

 長年に渡る互換性の蓄積で肥大化したフル機能のWindows(実際にはエディションによって機能が異なりますが、ここではRTの対義語としてフルと言っています)を載せることは、本来はフットワークの軽いタブレットというデバイスにとっては足枷であり、また同時に他のモバイルプラットフォームに対する優位性でもあった訳ですが、最初のころは足枷の部分ばかりが目立った印象があります。

 タブレット向けに用意された「Modern UI」は、iOSやAndroidのように最適化された専用のアプリケーションがそれなりに揃っていないと使い物にならない訳ですが、当初のWindowsストアのラインナップは、その両者とは比較にならないほど貧弱であり、市場が広がらないから開発者も寄り付かないという悪循環に陥っていました。
 かと言って、従来のデスクトップ画面はタブレットでの操作には絶望的に向いておらず、Windows 8はタブレット用のOSとしてもロクに使えないし、下手にタブレット用のメニューを強制して前面に押し出してしまったが故にデスクトップ用としても使い難いという、どちらにとっても中途半端な仕上がりになってしまっていました。

 それでも、Windowsタブレットが普及するチャンス自体はあったと思います。

 それは、初代Surfaceの発売でした。もう忘れてしまった方も多いかも知れませんが、発売される前までは、アレ、199ドルで売り出されるんじゃないかって噂されてたんですよ。

マイクロソフト Surface タブレット、Windows RT 版は199ドル・10月26日発売?

 当時のレートで言ったら、日本での定価は19,800円でもおかしくありません。先行の発表会でスペックや外観は明かされていたので、ハードとして素晴らしいことは分かっていました。私も「これが199ドルで発売されたら、とんでもないコトになるなぁ」と、いち消費者としてWindows関連の話題で久し振りにワクワクしたことを憶えています。

 ところが、蓋を開けてみたら、RT(Windowsのフル機能が使えない方)の一番安いモデルですら、499ドルときましたよ。

マイクロソフト「Surface RT」タブレット、価格は499ドルから - 米で予約受付開始

 いやー、あの時はホント、すんごいガッカリしましたねぇ。

 Microsoftは、それまでソフト(OS)を提供してハードはメーカーに任せるというやり方で一時代を築いて来たので、メーカーに配慮しなきゃいけない立場も分かるんですが......

「Surface」の価格が199ドルだとつらい--エイサー会長

 当時ですら、ビジネス用途のバックエンドではともかく、一般消費者の目に映る世界ではAppleやGoogleに押されっぱなしというか、時代に乗り切れていない感が漂っていたMicrosoftにとって、Surfaceという素晴らしいハードを人々がびっくりするような価格で売り出すことは、残された数少ない起死回生の策だったように思うのですが。

 それが、フル機能のProに至っては10万円くらいしちゃう訳ですよ。既に十分にこなれていたiOSやAndroidと異なり、タブレット用OSとしては機能も操作性もアプリの数も十分とは言えないWindows 8で価格まで高かったら、タブレット端末として選択する理由が無いじゃないですか。
 Windowsに拘るにしても、あれじゃ普通にノートやデスクトップPC買いますって、そんなもん。ちょうどウルトラブックも流行ってたし。

 正直、あの時は「バカじゃないの」と思った人も多いんじゃないでしょうか。私は声に出して思いました。
 予想通りに199ドルで出ていたら、もうホント速攻で買う気満々だったのですが、冷水を浴びせられたように、一瞬で購買意欲が失せましたもん。

 いや、199ドルは流石に無理があったかなとは思いますが、それにしたって、もうちょっと、こう......

 案の定、SurfaceはMicrosoftが期待していた程は売れずに、発売から半年ちょっとで1万円の値下げを余儀なくされたり、iPadからの乗り換えキャンペーンをはったりと紆余曲折。

日本マイクロソフト、「Surface RT」を7月14日まで1万円値下げ ~値上げしたiPadと価格が逆転
Surface RTの値下げはiPad対抗策か在庫処分か
Surface RTの値下げ、キャンペーン終了後も継続 「好評に応え」
日本マイクロソフト、「iPadからSurface RTへ乗り換えキャンペーン」~最大10,000円キャッシュバック

 各メーカーからもあまりパッとした製品が発売されずに、WindowsタブレットとしてはずっとSurfaceがトップランナーであり続けてしまったことも、Microsoftがタブレット市場で存在感を発揮できなかった理由のひとつでしょう。

そして、2013年の年末へ

 Microsoftにとって常に逆風だった風向きが変わり始めたのは、つい最近、ほんの数ヶ月前の話です。

 最初の兆候は、Microsoft自身の手によって、Windows 8.1とSurface 2という形でもたらされました。

 まだまだ十分とは言えないまでも、タブレット用のOSとして着実に成長を遂げたWindows 8.1。それなりに使える程度にはアプリの数が増えつつあるWindowsストア。洗練された外観は踏襲しつつスペックは大きく進化したSurface 2。
 パッケージとして、これなら買ってもいいかなと思わせる条件が整ってきました。

 そして、2013年11月~年末にかけて、値段もサイズもお手頃で十分に魅力的なタブレットが、いよいよMicrosoft以外の複数のメーカーから発売されたことにより、ようやくWindowsタブレットが本格的に普及しはじめた感があります。
 しかも、それらの製品は、RTとProに分かれている本家のSurfaceと異なり、安価でありながらフル機能のWindowsが動作し、さらに純正のMicrosoft Officeが使えるどころか最初からバンドルされているのです。こうなってくると、他のモバイルプラットフォームに対して本来Windowsが強みにしたかったそれらの部分が活きてきます。

 Microsoftとしても、ここが普及の正念場であると認識しているのでしょう、年末から年始にかけて宣伝広告の勢いが凄まじいですよね。

 多分、普及を最優先にして、いまはライセンス料もかなり勉強してるんじゃないでしょうか。噂にあった無料とはいかないまでも、4万円前後でWindows+Officeのタブレットが販売されている現状を考えると、フル機能で90ドルより安くしているような気がします。いや、実際はどうだか知りませんけれども。

無料でのWindows Phone・Windows RTの提供をマイクロソフトが検討中
「Windows Phone」のライセンス料は25ドル、「Windows RT」は90ドル

 印象としては完全に波に乗った感があり、多くの方と同様に、2014年はWindowsタブレットの飛躍の年になるだろうな、と予測しています。

追記:
 ライセンス料に関しては、以下の記事が参考になりそうです。

マイクロソフト:低廉機器向けウィンドウズ8.1、70%値下げ

 小売価格が250ドル(約2万6000円)未満の低廉PC・タブレット端末メーカー向けのウィンドウズ8.1のライセンス・プレインストール料は15ドルと、通常の50ドルから値下げする。

 $250以上の場合はどうなんだというのはさておき、やっぱり相当に安価に設定されているんでしょうね。現状では、そうした方がいいと思います。もうパッケ売って儲ける時代じゃないですし。

 それにしても、こんな風に追記ばっかしてるから、ウチの記事は数がなかなか増えないんだな......でも、だって、情報はまとまってた方が見やすいじゃないですか。

さらに追記:
 こんなネタも。

マイクロソフトがWindows 8.1の無料版(?)を検討中らしい...ってマジ?

 無料バージョンはWindows 8.1のライトVerという位置づけで、OSを無料で提供する代わりにバンドルされるマイクロソフトのサービスの方で収益を上げる仕組みのようです。

 かつての帝国も、時代の流れには逆らえないといったところでしょうか。諸行無常。

さらに追加情報:
マイクロソフトが「無料版Windows 8.1」を計画中とリークされる
 Windowsの低価格または無料化の流れは間違いなさそう。RTどころかHomeエディションと同等くらいまでは無料になるかも知れませんね。

最後の追記:
マイクロソフト、スマホとタブレット端末メーカーにウィンドウズ無料提供へ
 これにて決着、ですね。

さて、どれを選ぼう

 さてそこで、粒の揃ってきた製品の中からどれを選ぼうかという話になる訳ですが、このブログではぐーたら寝転がりながら快適にマンガを読めるタブレットとして7インチ前後のサイズを推してきたので、価格もお安いですし、ここは8インチの製品を選択するべきでしょう。

 最近発売された8インチの製品群は、基本的なスペックはどれも似通っています。

CPU Atom Z3740 1.33GHz 4コア*1
メモリ 2GB
記憶容量 32GB/64GB
ディスプレイ 8インチ 800x1280
ワイヤレスタイプ 802.11abgn *2
Bluetooth 4.0
バッテリ持続時間 10時間 *3
*1 DellのVenue 8のみZ3740D
*2 DellのVenue 8のみ802.11bgn?
*3 dynabook Tabのみ公称11時間

 

 で、主に以下のような違いがあります。

  センサー スロット ポート GPS 背面カメラ 前面カメラ サイズ 重さ
dynabook Tab microSD / microSDHC / microSDXC microUSB / MicroHDMI 800万画素 200万画素 135.9 x 213 x 10.7 mm 445g
ICONIA 加速度/ジャイロ/光/デジタルコンパス microSD / microSDXC microUSB / MicroHDMI 500万画素 200万画素 135 x 219 x 11 mm 415g
Lenovo Miix 加速度/ジャイロ/光/デジタルコンパス microSD microUSB 500万画素 200万画素 131.6 x 215.6 x 8.35 mm 350g
Dell Venue microUSB 500万画素 120万画素 130 x 216 x 9 mm 395g
* リンク先はWi-Fi,64GB,Office Home&Businessにしています
* 分かる範囲の情報なので、実際と異なる場合があります

 こうやって並べてみると、どうですかねー。スペック的にはDellのVenueがちょっと見劣りするでしょうか。でも代わりにコレ、凄い安いんですよ。OfficeをPersonalにすれば、ストレージが64GBでも4万円切りますからね。それに、レッドカラーが用意されているのは、これだけです。

 とはいえ、軽さは正義。やっぱり軽い方が扱いやすいので、実際に買うとしたらLenovoのMiixかなぁ。

 けど、Windows機と考えると、HDMIがあった方がいいかも......とすると、AcerのICONIAがいいかなー。

 東芝のdynabook Tabが思ったより良さげなんですけど、他と比べて若干お高いんですよねー。

 でも、なんだかんだ言って、やっぱりMicrosoftのSurfaceが一番カッコいい。早く8インチ出してくれないかしら。

 みたいに、どれにしようか色々考えるのは楽しいんですけれども。

さあ、我慢しよう

 Nexus 7 2013もiPad mini Retinaも買っちゃったし、これ以上、同時期にタブレットを個人として買ってられないので、荒ぶる購買欲をなんとか鎮めなくてはなりません。

 ということで、「いまは買うべきではない尤もらしい理由」を考えていきましょう。

 まず、欲しいのはみんな同じらしく、この価格帯のWindowsタブレットがすんごい売れているようで、売り切れてしまった店舗も続出している中、最安値の頃よりも相場が平均して5,000~10,000円ほど上がっているようです。

 なので、いま買うとちょっと損した気分になってしまうのは否めません。

 それに、いまはあくまでWindowsタブレットの本格普及の黎明期に過ぎません。今後、価格もスペックもよりこなれた製品が、続々と発売されるでしょう。
 すでに、こんな噂も出ているくらいです。

ASUSの8インチWindows 8.1タブレット VivoTab Note 8 マニュアル流出、ペン入力対応

 これなんて、価格は300ドル程度という話もありますよ(流石に、そこまでは安くならないんじゃないかと思いますが)。

 それに、現状の8インチのWindowsタブレットの画面解像度は1280x800ばかりですが、おそらく今年の年末には1920x1080が当たり前になってるんじゃないかなー、と予想しています。

 Windowsのデスクトップ画面で考えた場合、物理的に小さいディスプレイで解像度ばかり高くなってもあまり恩恵が感じられないんですが、Modern UIのアプリとなると話は別です。

 私がタブレットを買う時は、電子書籍のコミックリーダーという役割は外せませんから、やっぱり1920x1080以上が当たり前になるまでは待ちかなーと思います。

 それにですね、なにやら各電子書籍ストアアプリのModern UI対応が全く進んでないみたいなんですよ。Windowsストアで検索かけても、まるでヒットしません。
 もちろん通常のWindowsアプリケーションとしては用意されているので、それでいいやということなのかも知れませんが、やっぱりタブレットに最適化されたアプリが欲しいですよね。

 Windowsタブレットのユーザーが増えれば、自然と対応するストアも増えていくんじゃないかと思うので、こちらの見地からも今はまだ買うには早過ぎると思うのです。WindowsストアがAppleのApp StoreやGoogle Playのように充実していくのは、これからでしょう。

(2014/01/31追記:早速、紀伊國屋書店が電子書籍リーダー「Kinoppy」のWindows ストアアプリ版を無償公開しました。偉いです。おそらく今年中には、各ストアともWindowsストアにアプリを公開するんじゃないでしょうか)

 

 とまぁ、「いまは買うべきではない尤もらしい理由」をひねり出してみましたが、要するに1台持っていじくり回したいだけなので、否定材料としては弱いんだよなぁ......。

 やっぱり1台持っておきたいなぁ......誰か買ってくれないかなー。
 いや、誰も買ってくれる訳ないのは分かってますけれども(笑)

そして、追記

 記事をかいたその日にキタコレ!

レノボ ThinkPad 8 発表、8.3型1920 x 1200液晶 Windows 8.1 タブレット。399ドルから

主な仕様は、 8.3インチ 1920 x 1200 ディスプレイ(10点タッチ対応)、Bay Trail Atom Z3770 プロセッサ(4コア最大2.4GHz)、2GB RAM、最大128GB ストレージ、microUSB 3.0、microHDMI、Miracast。

カメラは前面2MP、背面8MP。ほかMicroSD カードスロット、ステレオスピーカー(Dolby Home Theater 対応)、デュアルマイクなど。オプションでMicroSIM スロット搭載の4G LTE / 3G 対応WWAN モデルも用意します。

OS はWindows 8.1 (32bit)とWndows 8 Pro から選択可能。Microsoft Office も付属します。

 おおお、なに、この素晴らしさ。早速このスペックのWindowsタブレットが発表されましたよ。しかも、なにこの安さ。素敵としか言いようがない。

 さらに、1920x1200ですよ。そっちの方がマンガ読み易いしいいなーと思いつつ、Winタブでは1920x1080が多かったので1080以上という書き方をしてましたが、あっさり1920x1200にしてきましたよ。

 いやー、これは今後、どんどんこなれた製品が増えていくことが期待できそうですね。

 やっぱり、今はまだ「見」だという方針は間違いじゃなかったんだ!(と自分に言い聞かせる)

 

 すみません、あまりにもタイミングが良かったのと、あまりにも素晴らしいスペックだったので、つい興奮して別記事にしてしまいました。
 ここに書いたこととほぼ同じ内容ですが、よろしければそちらもどうぞ。

[タブレット] 2014年はWindowsタブレットが......早速、来たッ!(レノボ ThinkPad 8 発表、8.3型1920 x 1200液晶 Windows 8.1 タブレット。399ドルから)

この記事をシェア
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Share on Google+
  • この記事についてツイート
  • この記事を Facebook でシェア