つい先日、iOS 10 に僅かに遅れて、macOS Sierra がリリースされました。
OS X から macOS に呼び名も変えて、気分一新の船出となりましたが、どうやら中身の方は目玉の Siri こそ追加されたものの一新とまではいかず、El Capitan とそれほど変わっていないようです(別に悪い意味ではなく)。
とはいえ、「アップグレードしたら挙動が重くなるんじゃないのぉ?」と心配してしまうのが人の性というものです。
そこで、ひどく大雑把ではありますが、インストール前後で簡単なパフォーマンスの比較を行ってみましたので、よろしければご笑覧ください。
ちなみに、作業を行う前の私の予想は「ほぼ変わらない」です。
はてさて、結果はどうなりますやら。
2016/11/02 追記:
記事の末尾に、しばらく使って気になったことを追記しました。どなたかの参考になりましたら。
読み込み中です。少々お待ち下さい
前提条件
まず、検証環境(というほど大したことはしませんが)についてですが、 Mac mini Late 2012 になります。
また、ログイン時に、以下のようなアプリが主に起動します。
- Safari(タブ 30 個ほど)
- メール
- iTunes
- Finder
- Photo
- Adobe Creative Cloud
- Dropbox
- OneDrive
- Google ドライブ
- アクティビティモニタ
普段はここに Xcode やシェルが何枚か加わるのですが、今回は予め落としておきました。
他にも Push Bullet や Karabiner 等、細かい常駐ツールは幾つかありますが、大まかにはこんなところです。
なるべく何も立ち上がらないようにした方がよかったかも知れませんが、実際の利用状況に近付けるという大義名分で、どうかひとつ。
OS 起動後のメモリ状況を比較する
OS を再起動後、特に操作は行わずにしばらく放置して、落ち着いた状態のメモリ状況を比較してみます。
前者が OS X El Capitan、後者が macOS Sierra です。
新たに追加された Siri の常駐などで、使用メモリが多少は増えているのかも知れませんが、まぁ、ほぼ誤差の範疇ですね。
アイドル時の CPU 使用率を比較する
こちらも OS を再起動後、特に操作は行わずにしばらく放置して、落ち着いた状態を比較します。
新しくインストールした macOS Sierra は、最初に起動してしばらくは Spotlight(mds)が CPU 使用率を上げてしまうので、それが終わるのを待ってさらに再起動した上でスクリーンショットを撮りました。
両者とも、アイドル状態の CPU 使用率にほぼ違いは見受けられませんので、システム構成上で特に問題の無い環境ならば、妙な常駐プロセスが常に負荷をかけてしまうといったようなことも無さそうです。
それにしても、厳密な比較ではないとはいえ、プロセスの数は意外なほど増えて見えますね。
とはいえ、上で見たようにメモリの使用率に大きな差は見受けられないので、そこまで気にする必要はないかも知れません。
アプリケーションの起動時間を比較する
さて、次はもう少し実際の操作の参考になるように、そこそこ重いアプリケーションの起動時間を比較してみましょう。
ただし、手動で計測した大変にざっくりとした数字ですので、あくまで目安くらいに考えてください。
一応の補足として、比較に使った環境の外部記憶装置が Fusion Drive なので、関連ファイルがフラッシュストレージに移動されるようにアプリの「起動」→「終了」を充分と思われるまで繰り返してから、複数回計測した平均になります。
アプリ | OS X El Capitan | macOS Sierra |
---|---|---|
Photoshop |
8 秒前後 | 8 秒前後 |
Xcode |
7 ~ 8 秒 | 7 ~ 8 秒 |
Illustrator |
15 ~ 17 秒 | 16 ~ 17 秒 |
Photoshop と Illustrator はスタート画面が表示されるまで、Xcode は Master-Detail Application のテンプレプロジェクトが開ききるまでにかかった時間です。
まぁ、なんというか、非常にツマラナイ結果で申し訳ありません。
要するに、ぜーんぜん変わってないですね(笑)
macOS Sierra は、まだ 1 日しか触っていないので、特定の条件で非常に負荷がかかったりする可能性が無いとは言い切れませんが、体感的にも特に重くなったと感じる場面には出会っていません。
おわりに
以上のことから、OS X El Capitan が問題無く動作していた環境であれば、macOS Sierra もストレス無く動作すると考えて良さそうです。
うん。やっぱり、予想通りでしたね。
ハードウェア条件やアップグレード方法については、Apple 本家のヘルプをご確認ください。
Safari のタブまで引き継がれていたので、メジャーアップデートというよりも、通常の更新くらいの感覚で違和感なく乗り換えられると思います。
ただですねー、リリース直後なので、キーボードカスタマイズツールの Karabiner がまだ動かないんですよー。
正直、かなり困ってしまいますが、配布サイトで注釈されているように、まずは単純なキー変更を可能にする「Karabiner-Elements」というアプリの開発に、早速着手なさっているようです。
もう少し時間はかかりそうですが、本体も対応してくださる予定ということで、本当に有り難いですよね。
そんな訳で、macOS Sierra にアップグレードすることで、動作しなくなるアプリケーションもそれなりに存在しますので、どうしても必要なものに関しては、サポートされているかどうかを予め確認することをお勧めします。
Mac に限らず、 OS はバージョンアップを重ねる度に制限が厳しくなる傾向にあるので、システムに深く関わる類いのツールは、この先大変だろうなぁ、と思います(記憶に新しいところでは、前回の El Capitan では、Finder 拡張がほぼ全滅しましたし)。
でも、こういう気の利いたツールが全く使えなくなってしまうのも困りますし、セキュリティとの兼ね合いは悩ましいところですね。
2016/11/02 追記:
しばらく使っていて、気になったことが2点ほど出てきました。
1つ目は、Xcode を使っていると、SourceKitService が数十GBという単位で異常にメモリを消費して、OS 自体がハングしてしまう場合があること。
以前からそうだったと言われればそうなのですが、macOS になってから顕著であるように思います。
この現象は、インデックスの再作成が発生した時に、コードが書きかけでいくつかのブロックが閉じておらず、それが原因でエラーが大量に発生している時などに起こりやすいような気がします。
ただし、これは macOS というよりも新バージョンの Xcode の問題かも知れません。
もう一つは、再起動に非常に時間がかかるようになってしまったこと。
といっても1分程度なのですが、以前はすぐに(10〜20秒)で起動していたように思いますので、割りとストレスです。
この現象は、どの環境でも等しく発生するというよりは、ウチの環境のせいかも知れませんので、どこかのタイミングでクリーンインストールが必要になるかも知れないなー、と思っています。